9月号編集後記 その２・槙野智章選手

　試合前日ですが…練習レポートではなく編集後記その２・槙野智章編をお届けいたします。

　今、ノリに乗ってる男と言えば、やはりこの選手をおいて他にはいないでしょう。さすがに連戦とあって疲れを感じている部分もあるようですが、がっちりとチャンスをつかんでいるのは事実。まだレギュラーとは言い切れず、他の主力選手が出場停止や怪我から復帰してきたときに先発を外れる可能性はあるのですが、それでも今は「外してほしくない」「外したくない」という思いにさせるプレーを見せてくれています。

　インタビューを行ったのは８月上旬ですが、このときも当然、元気いっぱいでした。練習後に「今日はよろしくお願いします」と取材の挨拶に行くと「はい！よろしくお願いします！短めに！！」と返事が。『短めに？？何か予定があるから早く取材を終わらせたいのかな？』と思っていたら「いや〜、いつもしゃべりすぎちゃうんですよ。短めにしますんで」とのこと。『短めに！』とは、自分で自分に言い聞かせるための言葉だったようです。

　その『しゃべり過ぎちゃいけない』という思いは、本編の取材でも少し感じました。まず最初に、インタビューとは別ページの『Locker Room』というミニコーナー用に、サッカーとは関係ない質問をいくつかしようとすると「一問一答ですね！」と気合い十分。そして、実際に「自分が小さいときはどんな子供でしたか？」と１問目をぶつけると「わんぱく！」とまさに『一答』の返答。おそらく一問一答だから、テンポよく短めに答えようと思ってくれていたのだと思います。（ただ、こちらの事情でひとことよりもいくつか他の言葉も欲しかったので、追加でコメントしてもらいましたが…。）

　さらにインタビュー本編でいろんな話をたっぷりと伺って、最後にプレゼント用にサインを書いてもらっているときには…「なんか余計なことしゃべり過ぎちゃいましたね…」とちょっと反省気味でした。こちらとしては取材対象の選手が積極的にたくさん話してくれるのは大歓迎なので、全然よかったのですが、本人的に『短めに』というつもりの目標（？）が達成できなかったからなのか、少し後悔していた様子。そういえば去年、槙野選手に取材したときも「最後のコメント、微妙でしたね…。うまく編集してください」と反省していたような…。取材を受けて反省するなんて、おそらくあまりないことだと思います。（口には出さないで心の中で思っている選手はいたのだと思いますが。）もうトークは十分にうまい槙野選手ですが、これからさらに磨きがかかっていきそうです。今度取材するとき、どんな話を聞かせてもらえるのかますます楽しみです。

　そしてもう１つ、こぼれ話を。試合後のパフォーマンスについてですが、当初は自分たちで購入していた被り物も、今ではサポーターの方からもらうことも多いとか。ただ「顔が出てるのはちょっと恥ずかしいんですよね…」とのこと。意外でした（失礼？？）。HA9月号では顔がバッチリ出ている犬の被り物をした写真がプレゼントになっていますが、戦隊ものみたいに完全に隠れている方がいいみたいです。もしこれから彼らに被り物のプレゼントしようと思っている方がいらっしゃいましたら、そのあたり、ぜひご一考頂ければと思います。

　とっても明るい槙野選手は広島出身。ちょっと私がイメージしている広島人気質とは違う（自分自身も広島で生まれ育っているので）のですが、その違いがサンフレッチェというチームに新しい風をもたらしてくれるような気がします。『Mr.サンフレッチェ』と自称しているように、槙野選手が新時代のサンフレッチェを築いてくれるのでは…。今後の活躍に、さらに期待したいと思います。