ビラ配りをする専務

　広島ビッグアーチは、ご存知の方も多いと思いますが小さい山の上にあります。試合を見に行くためには、必ず坂を登らなければなりません。「今日はサンフレッチェ勝ってくれるかな」「ここまで登ってきて疲れた」など、おそらくそれぞれが色んな思いを抱きながら、この坂を登っていることでしょう。そしてそんなサポーターの方々を、いつも坂の終点・スタジアム正面入り口に立って笑顔で迎えている１人のおじさんがいます。黒縁メガネにグレーの頭髪。背格好はそれほど大きくなく、中肉中背よりもほんの少し恰幅のいい紳士。（あまりうまく表現できていませんが）その方こそ、サンフレッチェの代表取締役専務、下村さんです。

　一般的に専務、というと会社でもかなり重役中の重役。自分で何かをするよりも、人を動かすことの方が多い役職です。しかし、下村専務は違います。フットワークの軽さは天下一品。このスタジアムでの歓迎もそうですが、吉田サッカー公園にも足しげく通っており、私も何度かお会いしました。チームを発展させるためには労を厭わず、サンフレッチェ関連のサイトをチェックしたり、なんと試合告知のビラ配りも自ら率先してやってしまいます。そして日曜日に行われたサポーターズ・カンファレンスでも熱弁を振るっていたとか。これだけサポーターに近いところまでいつも降りてくる専務は、本当に熱い方なのだろうと思います。

　ただ、この専務の熱意も今はまだ観客動員には結び付いていません。ビッグアーチでの試合開催時には恐ろしいほどの高確率で振る雨の影響や、やはりチームが勝てないことも１つの要因でしょう。しかし雨はともかくとして、チームは一見の価値あり！の魅力あるサッカーをしていることは間違いありません。今ここで自分たちのサッカーを投げ出さず続けていけば、必ず結果はついてくるはず。次のホームの試合は5月3日の大宮戦です。きっと専務を始め、球団の方々は色々と次なる集客案を練っていらっしゃることでしょう。ゴールデンウィーク中ですので遠方の方もぜひ、ビッグアーチに足を運んでみて下さい。そして…スタジアム入り口にいるはずの専務さんに声をかけてみてはいかがでしょうか。